平飼い卵のお話(2022年 更新)

●理想の養鶏を求めて・・・・・『平飼い』の今昔

セピア色に変色した下の写真は、昭和60年、新潟県聖篭町にて“さとう養鶏”として創業した頃のものです。
葡萄棚の下で鶏がのびのびと飛びまわって遊ぶ様子は、人間の勝手な解釈ではありますが、いかにも「楽しそうで、幸せそう」に見えてきます。
この風景が原点であり、飼育の基準や原則と言えます。
『幸せな鶏こそが、おいしくて、滋養のある卵を産んでくれる』と私たちは考えます。

●なぜ『平飼い』なのか

現在国内の採卵養鶏場のほとんどは、『ケージ飼い』で卵が生産されています。
『ケージ飼い』と『平飼い』との決定的な違いは、鶏の運動量です。経済効率から言えば、鶏が動き回ることは“無駄”なのかも知れません。
『平飼い』では、しっかりと動き回ってお腹を空かせた鶏が、良質の餌と水を摂って育ちます。例えて言えば“健康優良児”として育つわけです。
その健康な鶏が産む卵は当然、『健康でおいしい』と私たちは考えます。
また昨今の欧米では、『動物愛護』の観点からも『平飼い』が脚光を浴びつつあります。
畜産業においても“経済最優先からの脱却”が大きなトレンドとなっています。

●なぜ『有精卵』なのか

さとうファームでは、雌20羽に対してオス1羽の割合で飼育しています。
鶏は本来臆病な生き物であり、「群れ」を作る習性があります。オスはグループのボスとして、集団を外敵から守る役割を持っています。
有精卵を作ること自体が目的なのではありません。そのような環境のもとで、雌鶏が安心して卵を産むことができることが重要と考えます。

●なぜ餌が大切か

飼料の主原料(トウモロコシと大豆)は、NОN-GMО(非遺伝子組換)で、分別生産流通管理済みの飼料を与えています。
“安心安全”は創業時よりの最重要テーマです。
美味しいのはもちろん、“食べるだけで健康になれる卵”を目指して研究中です。
また、水についても、清流三面川の支流から、浄水器を通した上で与えています。

●科学的観点の必要性

私たちは、平飼いと言う飼育方法について“牧歌的でのどかなイメージ”を強調するつもりは一切ありません。
雛の段階から卵を産み終えるまで、合理的で科学的なワクチンプログラムを実施することにより、鶏の病気を未然に防いでおります。
常に最新の科学的知見が重要と考えます。
また、定期的にサルモネラや鳥インフルエンザについての検査を実施しています。卵の安全性をデータの上からも確認しています。
そして、毎月全ての鶏舎の卵をランダムに抜き取り卵質の検査を外部の検査機関において実施しています。
人が鶏にしてやれることは可能な限り行う。そしてその恵みをいただくこと。それが私たちの理想です。

●100%平飼いを実施しているファームです

ザ・ヒューメイン・リーグ 様に登録していただきました。
ザ・ヒューメイン・リーグは、ファームアニマルの苦痛を減少することを使命とし、啓蒙活動の実施や現状に変化をもたらすため、日本国内の現地団体やグループと協力し活動をしています。